<プロフィール>高校卒業後7年間、地元で消防士を務め、2017年7月、東京・恵比寿に「HEMP CAFE TOKYO」をオープンした26歳男性(インタビュー時)。
ヘンプとは食べられる大麻であり、近年その価値が見直され始めているスーパーフード。日本でもかなり稀少な大麻料理専門のカフェである。

――まず、消防士からカフェのオーナーへの転身とのことですが……

そもそも、早く社会に出たいという思いから、進学はせず高卒で地元の消防士になりました。
でも、周りは楽しそうな大学生活を送る中、自分はつらい思いをしていて、辞めたくなって。その時はただ辞めたかっただけ、何かやりたいことがあったわけじゃない。なら3年は頑張ろう、と。

その間、やりたいことを探しに本屋に通うようになりました。カッコイイ人、斎藤一人さんや高橋歩さんの本を読んで「やりたいことをやっている人はカッコイイ!」と感銘を受け、「飲食で店を持つのが、若くして社長になれる方法かな?」と考え、店を開くことにしたんですね。

現実的に、お金も貯めてある程度形にしてから消防士を辞めようと思い、26歳で店を持つことをずっと目標にしてきました。
そして僕は今、26歳で店を持っています。

――みごと目標通りですね! ところで、なぜ飲食の中でも大麻を?

元々大麻に興味があったわけじゃないですよ(笑)。まず、勉強のためいろんな飲食店に行く中、このカフェの母体である「レインボー・ローフード」に出会いました。

僕は当時「不健康こそカッコイイ」みたいな男社会に生きていて、ビーガン食に対しマイナーでマニアックで、味も……という偏見を抱いていたのですが、とても美味しくて!

その時、「美味しければ、ビーガン食を食べる人は増え、これからもっと増えるのでは?」と直感を抱きました。
ビーガン食に対する固定観念を打ち砕きたくもあった。身体は食で作られています。素敵な空間、素敵な人達、しかしその中心にある食は死んでいる……そうではなく、よりフレッシュなものを、かつ、美味しくてパンチのあるものを! と。

そうして食を勉強する中、食べられる大麻「ヘンプ」の存在を知りました。
大麻というとイリーガルなイメージだし、面白い。そして調べれば調べるほど驚かされるその凄さに「これはこれから”来る”のでは?」と。ビーガンというコンセプトで他と同じことをやっていても……という思いもあり、コレだ! と。そんな経緯です(笑)。

――なるほど。さて、開店からはや5ヶ月ですが……

ビーガン食は原価が高く、ニッチだし、それほど利益がないというのが本音ですが、お陰様で今のところ赤字はなくやってこれています。

楽しいしやりがいがありますよ。オーナーなので自分で決められて好きなことができて、しかもそれでお客様を喜ばすことができる。
もちろん、消防士やサラリーマンでは味わえない程のプレッシャーもあります。全て自分の責任ですから。でもリスクのある方がやる気が出ますね。そして、そのプレッシャーを醍醐味とも感じています。色々起こるからこそ面白い、とも。

――順調そうで何よりです。壁にぶつかったことはありましたか?

そうですね、25歳の時、貯めていた開店資金の600万円を失った時はさすがに……。人に言われるがまま投資につぎ込み、気づいたときには0になっていました。

落ち込みましたよ。でもマイナスになったわけじゃない。そして、当初の予定通りここで消防士を辞めなければ、ずーっと定年まで、同じ街で同じことだけして終える一生になりそうな気がして、やっぱり耐えられなかった。

そんな時に出会ったのが「レインボー・ローフード」と、そのオーナーの加藤さんです。
正直、店を開くに当たり、直感と偶然とタイミング、そして運でここまで来ています。

決断して動いたら、それらがついて来た。
そう思っています。

――ここまでは開店までのお話を伺ってきましたが、「これから」をお聞かせください

そうですね、ゆくゆくは全国にビーガン食のファストフード店をフランチャイズ展開して行けたら、と思っています。

ビーガンはこれから、日本でも必ず一般化すると感じています。海外では既に、家畜による大気汚染を防ぐため毎週月曜は肉食をやめようという「ミートフリーマンデー」も提唱されています。
その時に、ヘルシー、なのに味付けはジャンキー! というビーガン食のファストフード店で、安心安全と美味しさを提供できたら、と。これは野望です!(笑)

ヘンプカフェに関しても、自分がいなくても店が回るような店舗展開にして行きたいですね。その足がかりの一つとして、ヘンプカフェをビーガンじゃない方にも知って頂けるようなイベントを開催できたらなぁ、と考えています。

大麻というとなんとなくジャンキーで暗いイメージがありますが……そうではなく、もっとポップでオープンでファッショナブルな感じで! ラッパーやDJを呼んで、キッチンカーでテイクアウトもいいですね。インスタ映えバッチリの、話題になるようなイベントにしたいです。

――それでは最後に、読者の方へメッセージをお願い致します!

消防士を辞めたい辞めたいとばかり思ってきましたが、今となってはサラリーマン、公務員という仕事への感謝が足りなかったと痛感しています。1円稼ぐことがこんなにも大変だなんて、と。

もし、やりたいことがあるなら、とにかくやってみましょう。僕はまだまだ若輩者で偉そうなことは言えませんから、代わりに僕が言われた、好きな言葉を。

「判断と決断の違いが分かるか? 大体はみんな、判断する。損得や体裁を天秤にかけている。決断とはクレイジーなものだよ。やれるかやれないかじゃなく、やるかやらないかだけだ」


とってもおいしそうなお料理と楽しそうな店内の様子が伺える、
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